東京湾岸エリアの資産性⑤~交通利便性と交通快適性は違う~

湾岸エリアのマンション大量供給に伴い、湾岸エリアの人口は増え続けています。

同時期に大量の人口流入が起こると、「将来的な街としての価値低下」と「現時点での利便性低下」が起こります。

地位(じぐらい)の低い埋立地に大量のタワーを建て住戸を大量供給。そこに住む人々は毎日供給力の低い列車で地獄通勤し、帰りも同じように電車に揺られて帰っていく。同じエリアに過剰な人間を押し込んでいる以上、「形を変えた団地」でしかありません。

確かに、湾岸エリアのよくある売り文句として「銀座生活圏」がありますし、有楽町線であれば銀座一丁目駅へのアクセスがあります。
ただし、輸送力と人口のバランスが取れず、「交通利便性は一定程度あるが、交通快適性は最低そのもの」であるわけです。

もちろん、上層階には「そういう生活とは無縁な」人々もいることでしょう。逆に言えば、そういう層こそ個人の好みの範疇で湾岸エリアを手に入れる価値があると言えるのではないでしょうか。
都心立地のメリットは、通勤時間の短縮、日々の生活エリアが都心そのものになるといった事が挙げられますが、湾岸エリアはそうしたメリットを享受しようと「大量に」人が押し込められる結果、郊外エリアと同様の「大量の庶民」であふれた少し都心に近い郊外団地になるだけなのです。

これを乗り越えて湾岸エリアが躍進するには、行政面での鉄道、道路等の輸送能力拡充策と、デベロッパーの「欲深い営利目的の不適切な供給」の抑止が求められます。

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