この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。
各指標の解説と最新指標値の回覧
回覧日：2019/11/1
米国債金利
米国債（特に10年国債）の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。
2019年11月1日の終値は1.714%で、前週の1.8%に比べて比率で-4.78%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.901%、安値は1.471%です。
直近1年の高値は3.239%、安値は1.462%となっています。
CRB指数
CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。
2019年11月1日の終値は180.27で、前週の178.37に比べて比率で+1.07%となっています。
直近3ヶ月の高値は183.17、安値は172.35です。
直近1年の高値は192.58、安値は167.89となっています。
銅価格
CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。
2019年11月1日の終値は1ポンドあたり2.662ドルで、前週の2.675ドルに比べて比率で-0.49%となっています。
直近3ヶ月の高値は2.7ドル、安値は2.554ドルです。
直近1年の高値は2.972ドル、安値は2.528ドルとなっています。
ドルインデックス
ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの（対円だけではない）総合的な価値を確認できます。
2019年11月1日の終値は97.018で、前週の97.599に比べて比率で-0.60%となっています。
直近3ヶ月の高値は99.021、安値は97.008です。
直近1年の高値は99.021、安値は94.79となっています。
日経平均株価
言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。
2019年11月1日の終値は22850.77で、前週の22799.81に比べて比率で+0.22%となっています。
直近3ヶ月の高値は22974.13、安値は20649.14です。
直近1年の高値は22974.13、安値は19155.74となっています。
回覧結果
日経平均は前週比で上昇。
ここ最近で直近1年の高値を記録しており好調です。
米中貿易摩擦について、米ブルームバーグが10月31日に
「米国との包括的かつ長期的な貿易合意に達することが可能かどうか、中国の当局者らは疑念を抱いている」と報じたことに反応し、
一時相場が弱くなる局面もありましたが、投資家の強気な姿勢は根強く、押し目買いを狙う動きに支えられています。
日経平均同水準は2018年8月後半、2017年12月後半です。
このタイミングでの景気指標を横並びで比較すると、
現在は商品が低く、米国金利は大きく低水準で、ドルがやや強い状況です。
商品の水準は低下しつつ株価だけが伸びている状況で、
やや危うさを感じる水準となっています。
■マーケットのトレンドワード
・利下げ観測
・緩和再開
・米中貿易摩擦
・景気後退懸念
・Brexit