この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。
各指標の解説と最新指標値の回覧
回覧日：2018/12/7
米国債金利
米国債（特に10年国債）の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。
2018年12月7日の終値は2.858%で、前週の2.993%に比べて比率で-4.51%となっています。
直近3ヶ月の高値は3.239%、安値は2.858%です。
直近1年の高値は3.239%、安値は2.348%となっています。
CRB指数
CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。
2018年12月7日の終値は184.15で、前週の181.74に比べて比率で+1.33%となっています。
直近3ヶ月の高値は199.74、安値は179.6です。
直近1年の高値は206.38、安値は179.6となっています。
銅価格
CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。
2018年12月7日の終値は1ポンドあたり2.76ドルで、前週の2.788ドルに比べて比率で-1.00%となっています。
直近3ヶ月の高値は2.813ドル、安値は2.663ドルです。
直近1年の高値は3.293ドル、安値は2.557ドルとなっています。
ドルインデックス
ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの（対円だけではない）総合的な価値を確認できます。
2018年12月7日の終値は96.476で、前週の97.196に比べて比率で-0.74%となっています。
直近3ヶ月の高値は97.38、安値は94.71です。
直近1年の高値は97.38、安値は88.5となっています。
日経平均株価
言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。
2018年12月7日の終値は21678.68で、前週の22351.06に比べて比率で-3.01%となっています。
直近3ヶ月の高値は22841.12、安値は21149.8です。
直近1年の高値は24275、安値は20617.86となっています。
回覧結果
先週に直近三ヶ月安値を更新した米国金利は今週も堅調。
米中貿易摩擦や長短イールドギャップの逆転の観測で景気先行き懸念が意識されて買われている状況。
商品は前週の落ち込みからの反発とはなっているものの、本格的な回復と見るかは怪しい水準です。
同じく米国金利が急落した2018年5月末の日経平均の水準は22,000～22,300ほどで現在より高い水準にありますが、
商品指数が現在より高く、景気の先行きが今ほど強く懸念されていなかったはずで、
テクニカル的な反発があってもそのあたりが限度となりそうです。
■マーケットのトレンドワード
・Brexit
・米中貿易摩擦（関連してファーウェイ副会長逮捕）
・利上げ観測
・G20