経済指標回覧~2020年3月19日~コロナショック影響は全面安から選別色の様相へ~

この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。

各指標の解説と最新指標値の回覧

回覧日:2020/3/19

米国債金利

米国債(特に10年国債)の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。

2020年3月19日の終値は1.158%で、前週の0.812%に比べて比率で+42.61%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.769%、安値は0.502%です。
直近1年の高値は2.594%、安値は0.502%となっています。

CRB指数

CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。

2020年3月19日の終値は127.63で、前週の141.94に比べて比率で-10.08%となっています。
直近3ヶ月の高値は178.53、安値は120.34です。
直近1年の高値は189.66、安値は120.34となっています。

銅価格

CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。

2020年3月19日の終値は1ポンドあたり2.2ドルで、前週の2.481ドルに比べて比率で-11.33%となっています。
直近3ヶ月の高値は2.793ドル、安値は2.16ドルです。
直近1年の高値は2.972ドル、安値は2.16ドルとなっています。

ドルインデックス

ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの(対円だけではない)総合的な価値を確認できます。

2020年3月19日の終値は103.605で、前週の97.464に比べて比率で+6.30%となっています。
直近3ヶ月の高値は103.605、安値は94.87です。
直近1年の高値は103.605、安値は94.87となっています。

日経平均株価

言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。

2020年3月19日の終値は16552.83で、前週の18559.63に比べて比率で-10.81%となっています。
直近3ヶ月の高値は24031.35、安値は16552.83です。
直近1年の高値は24083.51、安値は16552.83となっています。

回覧結果

日経平均は引き続きコロナショックで続落。
ここ最近の潮目の変化として見て取れるのは、「とりあえず何でも下がっていた状態」から
「コロナショックの影響を見極め、水準訂正による見直し買い」も見られる状態になっていることです。
実際、日経平均の業種別寄与度を見ると、電気機器、通信、サービス業の大幅マイナスに対し、
医薬品、鉄道・バス、食品などは大幅なプラスになっています。

世界的な景気悪化(この点は闇クマがコロナショック前からずーっと言っていましたが)の懸念が、
懸念ではなくほぼ確定となったことによる全体的な水準訂正は一服し、個別影響の見極めフェーズに移ってきたようです。
ただ、後述しますが闇クマはこれで完全に底入りしたとは思っていません。
景気指標があまりに悪すぎるからです。

資産倍率などを確認して、一旦は地面が見えてきたとはいえ、油断すると二番底に容易に突入するような水準だと思っています。
とはいえ現状のバリエーションだと、資産の一部をリスクに晒せる段階ではあるので、
全部は入れず、様子を見つつ優良金融資産を手に入れる動きがよろしいのではないでしょうか。

日経平均同水準は2016年8月ごろです。
このタイミングでの景気指標を横並びで比較すると、
現在は商品が低く、米国金利は大きく低水準で、ドルがやや高い水準です。
新興国からの資金逆流が観測され、景気指標も好ましくないため、この段階で全面リスクオンはしにくいですね。

■マーケットのトレンドワード
・コロナショック
・景気後退懸念

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