経済指標回覧~2020年4月3日~段々と明らかになるコロナショックの傷~

この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。

各指標の解説と最新指標値の回覧

回覧日:2020/4/3

米国債金利

米国債(特に10年国債)の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。
2020年4月3日の終値は0.599%で、前週の0.676%に比べて比率で-11.39%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.649%、安値は0.502%です。
直近1年の高値は2.594%、安値は0.502%となっています。

CRB指数

CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。
2020年4月3日の終値は127.96で、前週の123.88に比べて比率で+3.29%となっています。
直近3ヶ月の高値は175.5、安値は118.5です。
直近1年の高値は189.66、安値は118.5となっています。

銅価格

CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。
2020年4月3日の終値は1ポンドあたり2.179ドルで、前週の2.197ドルに比べて比率で-0.82%となっています。
直近3ヶ月の高値は2.62ドル、安値は2.119ドルです。
直近1年の高値は2.963ドル、安値は2.119ドルとなっています。

ドルインデックス

ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの(対円だけではない)総合的な価値を確認できます。
2020年4月3日の終値は100.677で、前週の98.537に比べて比率で+2.17%となっています。
直近3ヶ月の高値は103.605、安値は94.87です。
直近1年の高値は103.605、安値は94.87となっています。

日経平均株価

言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。
2020年4月3日の終値は17820.19で、前週の19389.43に比べて比率で-8.09%となっています。
直近3ヶ月の高値は23873.59、安値は16552.83です。
直近1年の高値は24083.51、安値は16552.83となっています。

回覧結果

日経平均は先週の経済対策期待による反発から一転して下落。
米国が26日発表した先週の新規失業保険申請件数は、過去最多の328万件に急増し、市場予想を大きく上回り話題となりました。
先週は上記のような雇用情勢の不透明感が強まったものの、米国市場も日本市場も経済対策への期待から反発したものの長くは続きません。

日経平均の業種別寄与度を見ると、工場閉鎖影響懸念の強い電気機器や自動車が大きく売られるなか、
ワクチン開発への期待感、消毒液特需などで医薬品や化学企業がプラスとなっています。

日経平均同水準は2014年12月ごろまで後退しました。
このタイミングでの景気指標を横並びで比較すると、
現在は商品、米国金利ともに大きく低水準で、ドルがやや高い水準です。
新興国からの資金逆流が観測され、景気指標も好ましくないため、まだまだ見通しは暗いと言えるでしょう。

■マーケットのトレンドワード
・コロナショック
→米国の感染拡大
→国内での非常事態宣言やロックダウン実施懸念
→新型コロナワクチン・感染症薬開発、テレワーク、遠隔医療、人工呼吸器、巣ごもり消費
・各国財政政策
・景気後退懸念

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする