経済指標回覧~2021年1月8日~久しぶりに点検。カネを踊らせろ~

この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。

各指標の解説と最新指標値の回覧

回覧日:2021/1/8

米国債金利

米国債(特に10年国債)の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。

2021年1月8日の終値は1.119%で、前週の0.926%に比べて比率で+20.84%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.119%、安値は0.824%です。
直近1年の高値は1.848%、安値は0.502%となっています。

CRB指数

CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。

2021年1月8日の終値は173.35で、前週の166.68に比べて比率で+4.00%となっています。
直近3ヶ月の高値は173.35、安値は151.86です。
直近1年の高値は183.64、安値は106.29となっています。

銅価格

CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。

2021年1月8日の終値は1ポンドあたり3.6735ドルで、前週の3.549ドルに比べて比率で+3.51%となっています。
直近3ヶ月の高値は3.696ドル、安値は3.134ドルです。
直近1年の高値は3.696ドル、安値は2.119ドルとなっています。

ドルインデックス

ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの(対円だけではない)総合的な価値を確認できます。

2021年1月8日の終値は90.068で、前週の89.649に比べて比率で+0.47%となっています。
直近3ヶ月の高値は93.024、安値は89.409です。
直近1年の高値は103.605、安値は89.409となっています。

日経平均株価

言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。

2021年1月8日の終値は28139.03で、前週の27444.17に比べて比率で+2.53%となっています。
直近3ヶ月の高値は28139.03、安値は25349.6です。
直近1年の高値は28139.03、安値は16552.83となっています。

回覧結果

銅価格は直近高値を更新。
11月以降、中国の製造業活動を測る指数が3年ぶり高水準を記録したほか、同国が自動車や家電を含む国内消費の押し上げに向けた措置を講じていることも材料視。
CRBも持ち直し。米国金利は不気味な上昇。
米ジョージア州での連邦議会上院の決選投票で民主党が2議席を確保する可能性が意識され、これで民主が大統領選の勝利に加えて上下両院で多数派を確保する「トリプルブルー」。
財政拡大に伴う国債増発懸念から米国債に売りが出ている。
コロナで景気落ち込み懸念による下落、その後財政拡大に伴う米国債売りによる上昇。
結局、さらに緩和して金利を落ち着かせて景気浮揚を狙う…

ちなみに日本国債については、2019年8月に-0.28%に落ち込んで以降、じり高といったところ。
直近では0.035%となっています。

トリプルブルーにより、バイデン政権の財政政策(約1.4兆ドルの増税を財源に約2.5兆ドルの財政赤字拡大を加えた約4兆ドルの景気対策)が現実味を帯びることで市場は好感。
しかし、少し前には米大統領選の結果、トリプルブルー回避(すなわち増税回避)の見通しとなったことで、米国株が上昇した経緯を踏まえると、もはや何でも良いように見えます。

ドルインデックスは弱含み。財政拡大に伴う国債増発懸念の国債売りと為替の下落。

前回の観測では、「東証一部の配当利回りはさほど低下していない点はやや注目に値するかもしれません。」としましたが、
そこから大きく上昇しました。

先週の米国雇用統計は悪化していますが、逆にFRBの金融支援を誘発するものとして株価は上昇。
もはや実態経済などどうでもよく、金融、財政政策の動向を見守る形となっています。

本当に理解させる気なくメモ的になってしまいますが、
利回りで生きているうちに最悪回収できるものに資産の一部をさらして、
どこまで踊ってもらえるか社会勉強してみるといったところですね。

■マーケットのトレンドワード
・コロナショック
→新型コロナワクチン、感染再拡大懸念、景気後退懸念、テレワーク、遠隔医療、人工呼吸器、巣ごもり消費
・各国金融政策
・各国財政政策

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