経済指標回覧~2021年2月19日~金利の二面性~

この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。
※2021/2/19の記事より、直近1年ではなく、直近3年を概観するグラフを貼付しています。

各指標の解説と最新指標値の回覧

回覧日:2021/2/19

米国債金利

米国債(特に10年国債)の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。

2021年2月19日の終値は1.34%で、前週の1.21%に比べて比率で+10.74%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.34%、安値は0.916%です。
直近3年の高値は3.239%、安値は0.502%となっています。

CRB指数

CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。

2021年2月19日の終値は188.62で、前週の185.29に比べて比率で+1.80%となっています。
直近3ヶ月の高値は188.68、安値は164.13です。
直近3年の高値は206.38、安値は106.29となっています。

銅価格

CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。

2021年2月19日の終値は1ポンドあたり4.074ドルで、前週の3.788ドルに比べて比率で+7.55%となっています。
直近3ヶ月の高値は4.074ドル、安値は3.519ドルです。
直近3年の高値は4.074ドル、安値は2.119ドルとなっています。

ドルインデックス

ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの(対円だけではない)総合的な価値を確認できます。

2021年2月19日の終値は90.363で、前週の90.47に比べて比率で-0.12%となっています。
直近3ヶ月の高値は91.52、安値は89.409です。
直近3年の高値は103.605、安値は88.6となっています。

日経平均株価

言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。

2021年2月19日の終値は30017.92で、前週の29520.07に比べて比率で+1.69%となっています。
直近3ヶ月の高値は30467.75、安値は26524.79です。
直近3年の高値は30467.75、安値は16552.83となっています。

回覧結果

CRBについてはおもしろい動きです。短期の急激な上昇を捉えてインフレだ!といった声も上がっていますが、
このくらいのスパンで見ると、コロナ前の水準に戻った形であり、経済正常化を織り込んでいるくらいのぬるめの解釈になりそうです。
一方銅価格はコロナ前の水準を大きく上回る水準。コロナだけでは語れない銅需要増にも注目です。
脱炭素の流れやDX関連の産業機械製造需要などで堅実な需要増が見込まれています。
例えば、電気自動車はガソリン車に比べて2倍以上の銅を利用するなどです。
また、ドルインデックスについても低位水準であり、新興国目線で言えば居心地の良い状態です。
要するに世界経済は、一旦コロナ後の健全な成長を織り込んできており、
冷水が存在するとすれば、金利の急騰でしょう。ここについては別途分析したいところですが、
当局の引き締めが当面無いと見える点で、資産退避の判断までには至らない認識です。

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