経済指標回覧~2021年8月27日~久しぶりの点検~

この記事では世界経済の動向を表す指標の一部を回覧します。
指標の解釈については端的なものに留めます。
筆者はこれらの指標を日々用いてそれなりに株式投資で利益を得ていますし、
含み損を持っている場合、損切りするか、耐えるかという判断も、経済動向を見て合理的に判断できます。

各指標の解説と最新指標値の回覧

回覧日:2021/8/27

米国債金利

米国債(特に10年国債)の利回りは需給関係を超えて、資金需要の観点からその国の経済の状況を表します。
ただし、金利が高ければ良い、安ければ良いなどという安直な考えはできず、
その他の指標と合わせて総合的に評価する必要があります。

2021年8月27日の終値は1.31%で、前週の1.255%に比べて比率で+4.38%となっています。
直近3ヶ月の高値は1.468%、安値は1.174%です。
直近3年の高値は3.239%、安値は0.502%となっています。

CRB指数

CRB指数は、国際商品先物指数で、要するに商品価格全般の価格指数です。
商品指数は世界物価の先行指標、ひいては景気の先行指標として捉えられます。

2021年8月27日の終値は219.18で、前週の206.96に比べて比率で+5.90%となっています。
直近3ヶ月の高値は221.21、安値は205.59です。
直近3年の高値は221.21、安値は106.29となっています。

銅価格

CRB指数は商品価格全般の指標で重要な指標ですが、
市場規模が大きく、シンプルに世界経済の活動温度が反映されるのが銅価格です。
一部投機的動きもありますが、市場規模が大きく買い占めによる指標性の低下が起こりにくい指標です。
世界的にも経済状態を表すため「Dr.Copper」と呼ばれています。

2021年8月27日の終値は1ポンドあたり4.3185ドルで、前週の4.137ドルに比べて比率で+4.39%となっています。
直近3ヶ月の高値は4.585ドル、安値は4.041ドルです。
直近3年の高値は4.764ドル、安値は2.119ドルとなっています。

ドルインデックス

ドルインデックスはドルの対主要国通貨価値を指数化したものです。
ドルの(対円だけではない)総合的な価値を確認できます。

2021年8月27日の終値は92.694で、前週の93.508に比べて比率で-0.87%となっています。
直近3ヶ月の高値は93.588、安値は91.871です。
直近3年の高値は103.605、安値は89.409となっています。

日経平均株価

言わずもがな、日本の株式市場を代表する指数です。
構成銘柄は東京証券取引所第一部上場銘柄のうち225銘柄。
セクター間のバランスを考慮し、日本経済新聞社が選定し、年に一回見直しています。
※記事中の価格はデータソースの関係上CFD指数となっているので、取引所指標と若干誤差があります。

2021年8月27日の終値は27641.14で、前週の27013.25に比べて比率で+2.32%となっています。
直近3ヶ月の高値は28791.53、安値は27013.25です。
直近3年の高値は30467.75、安値は16552.83となっています。

回覧結果

前回の2月回覧から大分経ってしまいました。前回は当面ホールドという想定で記事を構成し、概ね外れてなかったかと思います。

CRBについて、銅価格に続く形でコロナ前の水準を大きく超えている状態です。
また、ドルインデックスについてもコロナ後の高値圏に存在しています。
米国利上げ観測は一旦後退したものの、利上げの動向次第では新興国通貨安による経済不安の指摘も出ています。
直近では米国のテーパリングが市場の話題でしたが、資産購入縮小はしつつも利上げは当面先というややこじつけ的楽観論が大勢でしょうか。
うまく市場が折り込んでことが進んでいると捉えるか、あえて脳死しているのか、今後の動向も見ながら注意する必要があります。

日経平均の水準で過去同程度であったのは2021年1月ですが、ここから他の指標を比較すると
CRB、米国債金利、銅価格ともに現在のほうが高い水準にあります。
現状水準に大きな違和感はありませんが、米国政策方針の分析を冷静に折り込んだあとの状態を再度点検したくなる場面です。

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