アフターコロナの考察~都市のあり方について~

アフターコロナについてざっと方向性探るために日経クロステックの「アフターコロナ」を購入。
闇クマの不動産投資は「最後に笑う」投資手法、つまりは土地の長期的価値に着目した手法なので、アフターコロナは重要な考察対象なのです。

やはりそれなりの論客の観点は参考になりますね。
結局、論客の鵜呑みではなく、そこから考察広げていくことが重要なのですが。

いくつかピックアップしてみます。

テレワークできない企業には投資しない(藤野英人氏)

藤野氏はレオス・キャピタルワークス株式会社の創業者の1人。
野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)、ジャーディンフレミング(現:JPモルガン・アセット・マネジメント)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て2003年レオス・キャピタルワークス創業。

紙面では以下のように語っている。

このコロナ禍において、企業は半ば強制的にテレワークの実施を余儀なくされた。つまり、日頃からの働き方改革の成果を抜き打ちテストされたような状態ですよね。
同じ業種でもテレワークへの以降をスムーズにできたところとそうでないところがあると。
レオスの藤野氏の感覚はまあ、当たり前というか、闇クマはじめ多くの人が感じているところかと。
働き方の柔軟性は前々から言われていて、今回抜き打ちテストされた面がある。

twitterを見ていても、テレワークが暇だなんだと言う人が結構いましたが、それ、結構まずいんでないのという話。
少なくとも上層部は基本線ポンコツと考えても差し支えないのでは。もちろん業種的に絶対ムリな企業があるのはそのとおりではあるけど。

東京一極集中の顕在化と分散都市の整備(藤井聡氏)

藤井氏は京大院教授&内閣官房参与。

紙面では以下のように語っている。

闇クマも同意。(以下画像のように、前々から言っていました。)

ただ、一極集中の回避という文言から、巷で言われている「都心から郊外へ」とされる言説が想起されますが、これはややぼやけていて、郊外ってどこだと。
例えば今何もない過疎地域が復活するかというと、そうは思えない。
結局、都市に人が集まるのはそこに魅力があるからで、魅力というのは仕事の有無だけではなく、圧倒的な利便性や先進性も含まれている。
ここから仕事の有無の要素を取っ払っても、都市が持つ魅力のすべてが削がれるものではない。

そもそも日本は人口減少国であり、ある程度コンパクトに居住地域を持たないと、各種サービスが行き渡らない構造的な事実がある。
だから完全分散は無理。ここでいう一極集中の回避というのは、日本の国土全体分散というよりは、各地方都市への分散、特に(結局)3大都市圏への分散がまず想定される動きなのでしょうね。
藤井氏はここに「新幹線網」を持ち出していて、概ね正しいと思っている。

とにかく新幹線網と日本の地方都市の発展は相関性が強くて、
戦後新幹線網の整備が露骨に日本の地図に影響している。
で、当然に想起されるのがリニア。名古屋、大阪。このあたりは別途。

LDKからWLDKの時代へ。職住近接型住宅に暗雲

これも面白い論点。住まいのあり方の話ですね。
実は住まいのトレンドはここ20年で見ても刻々と変わっている。
湾岸初期の豪奢的意匠から、震災を経て耐災害性への意識変化。
で、今回は住居に「ワーキングスペース」を含んだ「WLDK」という概念の登場。

これも、持家のリスクの1つだと思っちゃうのは、不動産投資×賃貸正解説派の半分ポジショントークでしょうか笑
都心50~60平米2LDK職住近接は、職住融合の流れにおいて今までは鉄板だったはずがむしろ不利になる可能性がある。
千葉や都下の100平米駅近眺望最強タワマンとどうバランスするか。

「じゃあ売ればいいじゃん」とも聞こえてきますが、20年前にマンション買った人はたくさん含み益出ているけど、
最近の低金利下で「色んな無思考勢力」に進められて賃貸より都心持家!と勇んで買った層としては、結構キツイのでは。
賃貸ならさくっと移動できるものの。

闇クマは、不動産与信は不動産投資にまわして、自身は賃貸で身軽に、とずっと言っていたわけですが、
こういうところでも賃貸の強みってあるよねと。

つらつらと書いてしまいましたが、コロナが与えるインパクトはそれなりに大きいものですから、
トレンドを今一度確認し、不動産投資の方針をブラッシュアップしたいところです。
今の所、既存の都心の土地に着目したポートフォリオを清算する必要は無いかなというのが、持っている感覚です。

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