平均年収ランキングに要注意②

融資額に大きく影響する個人の年収に関連して、平均年収の高い企業を高属性の企業とはにあげました。
様々なソースで平均年収ランキングが公表されていますが、いくつか注意点があります。
見方を誤ると、物事の解釈も誤ったものになります。
本記事は平均年収ランキングに要注意①の続きです。
※再掲「平均年収上位企業(平均年収1000万円超)」

社名 平均年収
キーエンス 1640
朝日放送 1510
伊藤忠商事 1390
三菱商事 1370
三井物産 1360
毎日放送 1320
丸紅 1300
住友商事 1300
ファナック 1270
電通 1270
ヒューリック 1260
日本経済新聞社 1250
朝日新聞社 1230
住友不動産 1190
野村證券 1190
大和証券グループ 1170
三菱地所 1130
三井不動産 1120
第一三共 1110
東洋経済新報社 1110
伊藤忠丸紅鉄鋼 1100
東京建物 1090
野村総合研究所 1080
商船三井 1070
旭硝子 1070
双日 1060
アステラス製薬 1050
SMBC日興証券 1050
エーザイ 1040
サントリーホールディングス 1030
日本郵船 1020
WOWOW 1010
日本オラクル 1010
アジレント・テクノロジー 1010
阪和興業 1000
岡谷鋼機 1000
新日鐵住金 1000

※民間調査会社の2016年時点のデータ。年収は整数第一位を丸めています。

③ホールディングスとは逆で、平均年収が低めに出ることもある

平均年収ランキングにランクインしている純粋持株会社は、役員クラスの社員のみを集計対象としているため平均年収が(参考にならないほど)高く算出されています。一方、事業会社が直接上場している場合で、製造業や小売業のように派遣社員・一般職・非正規社員が多い業態は平均給与が低くなります。
一般的にこれらの企業の大卒総合職社員の平均年収は当該事業会社の平均年収より高くなります。
平均年収ランキングの中ではしっかり「総合職平均」を算出している記事もあります。
④本社に残りづらい企業の平均年収は眉唾もの
銀行・商社などは多くの子会社・関連会社が存在しており、
総合職の出世競争に敗れた人々は40歳あたりで、子会社・関連会社への片道出向という形で本社を追い出されます。当然これらの人々の給与は下がりますが、開示されている本社の平均年収には反映されません。
銀行本社に最後まで残り続ければそこそこの収入を得ることができますが、それは極わずかのエリートのみです。
もっとも、バブル崩壊後の日系銀行の給与は世間が思っているほど高くありません。
⑤栄枯盛衰の斜陽産業企業に注意
繊維や鉄鋼・造船・重機といったいわゆる重厚長大産業はかつて栄華を誇った時代に大量採用された人々が多く、平均年齢が高い傾向にあります。
給与体系も長く勤めれば自動的に役職がつき高い給与を享受できる「年功序列制」の典型企業が多いため、現在の平均年収は「既に過去のもの」である可能性があります。
決して、これから入社してこの年収を得ることができるわけではありません。

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